独・仏NGO事情 調査レポート

当会では、持続可能な社会を支えるシステムの構築に際して、市民・NGOがどう関与しているかを、欧米の先進地域の事例に学ぶと共に、日本での可能性について検討した。ヨーロッパ、特にドイツにおける現状調査を中心に活動を行ったので、その結果を報告する。


持続可能な社会を支えるシステムづくりへの市民・NGOの参加のあり方についての報告書

目次

 

はじめに

 

持続可能な社会を築いていくには、個人の価値観やライフスタイルを変えていくと同時に、大量生産・大量消費・大量廃棄を基盤とした現行の社会システムそのものを変えていく必要がある。
欧米の先進地域では、こうした社会システムの変革に、市民の意識やNGOの活動が深く関与しており、大きな成果を上げている。
本調査では、持続可能な社会を支えるシステムの構築に際して、市民・NGOがどう関与しているかを、欧米の先進地域の事例に学ぶと共に、日本での可能性について検討する。
本年度は計画の1年目であることから、ヨーロッパ、特にドイツにおける現状調査を中心に活動を行ったので、その結果を報告する。なお、この調査は(財)イオングループ環境財団の助成を受けて行ったものである。ここに記して謝意を表する。

1. 調査期間
1997年5月22日~5月28日

2. 調査した者
加藤三郎  21世紀の環境と文明を考える会 代表理事
藤村コノヱ 21世紀の環境と文明を考える会 理事

1997. June
21世紀の環境と文明を考える会

環境NGO活動関係

 
BUNDの環境教育の場、エコステーション

ドイツでは持続可能な社会のシステムづくりに環境NGOが大きく関与していると言われる。そこでここでは、その実態をヒアリング調査した。

1. BUNDの活動

ヒアリング相手 BUNDバーデンヴュルテンベルグ事務局長 シュルツ氏
日 時      1997年5月27日


1) BUND設立とこれまでの経緯

1975年、州内にドイツ環境自然保護連盟(BUND)をつくろうという動きがあり、様々なグループに呼びかけたところ、4つのグループが賛同。事務局はフライブルグにおき、当初会員は1700名で出発した。シュルツ氏は専門家職員として最初に就業した。その後、1976年、連邦の政策に対しても意見がいえるよう、ボンに連邦事務局をつくるため、バイエルン州とバーデンヴュルテンベルグのBUNDが資金を出し合い、事務局を設立した。
当時、幾人かがパイオニア的な活動を展開し、排ガス規制をさせようと学術的な公害測定結果などを市に提出したが、受け入れられなかったことから、学術的なことからだけではなく、政治的な活動も必要との認識をもち、その後は会員獲得に努力した。
当時の活動としては、1970年代は、反原発運動が盛んで、エコロジカルなエネルギーの開発にはお金が流れていなかったため、催し物やテレビ出演などもして、会員を増やす一方、反原発の運動をするだけでなく、これに変わるものを提案するために、ソーラー展示会なども開催した。また、酸性雨問題についても、当時から自動車による影響であることを訴えたが、当時は全く受け入れられなかった(現在では認められているが)。さらに、15年前から農薬汚染を訴えるアクションも起こしたが、そのおかげで幾つかの農薬は現在使用が禁止されている。
また、12年前最初のエコステーションを開設。そこではソーラーの利用やエコ建築の方法を展示したり、環境教育の場として活用されている。

2) BUNDの組織、運営等

会員
全国に24万人の会員を持つドイツ最大の環境NGO。そのうち、バイエルン州で12万人、バーデンヴュルテンベルグで6万人(会員及び賛助会員を含めて)。
会員は、個人会員、グループ会員、企業会員、賛助会員である。
賛助会員とは、ある程度裕福な人達の住む地域を学生会員などが個別訪問をして勧誘し、賛同してくれた人は自分で会費を決めて会費を払うシステム。この3年間で1万500名の賛助会員を獲得しており、平均すると正規会員より多額の会費を収めている。今年はさらに15000人増加の予定で、州全体で会員数を10万人にしたい考えている。

組織
連邦事務局と、各州に州事務局(全国に22)があるが、州事務局も独立した形で運営されている。

スタッフ
バーデンヴュルテンベルグ内に22の事務所が、450の地域グループをかかえて活動しているが、それらは67名の専従職員、50名の兵役免除の若者で運営されている。(ドイツでは兵役制度があるが、BUNDのようなNGOで働くことで、兵役が免除されるようになっている。)

会費
正規会員会費は90DM/年、グループ会員は交渉次第、会社は最低でも200DM支払っている。なお賛助会員は自分で会費を決めて支払う。

年間予算
州内だけで6億円(700万DM)

州BUNDの組織図とその役割
議会

各州の事務局長

連邦の体制等
様々な委員会があり(例えば全ての州の会長会議、事務局長会議、科学委員会等)、そこがプロジェクトを決定する場合もあれば、各州がプロジェクトを名乗り出る場合もある。各州の会長が連邦の会長も選ぶ。

3) 企業との関係について

エコメッセ
この州のBUNDは企業との関係が最も強く、エコメッセでは商品展示をする会社が、昨年は543社あった。メッセは州BUNDの最大の収入源であり、企業の環境監査や遺伝子操作されていない食品の展示やディスッションなども行っている。

企業からの支援を受けて行っているプロジェクト
企業からの様々な支援を受けて活動を展開しているが、企業のいいなりになるのではなく、BUNDとしての主張を行っている。事例は以下の通り。

4) ドイツの失業と環境政策について

「何が今の社会にとって重要か」のアンケート結果では、5~6年前はエコや地球の未来がトップだったが、現在は落ちている。しかし、BUNDとしては、経済と環境の双方が成り立つためには、「エネルギーと資源の使用・消費については税金をかけ、人間がする仕事については税金をかけない」ということを主張している。

エコメッセ

例えば、昨年のエコメッセでは543社が展示し2~3万の雇用を生み出している。しかも他の産業が低迷なのに比べ、エコロジカルな医療、化粧品等は市場が拡大し、ますます多くの雇用を生み出す可能性が高い。
また、もう一つの例として、エコロジカルな農家が州内に3500あり、2万人の雇用を生み出している。こうした状況を州の経済大臣も認め、エコメッセにも出席している。
また、エコメッセでは、

  1. CSU(キリスト教社会党)の議員により「エコロジカルな税制改革・・持続可能な雇用」
  2. 州の経済大臣により「エコロジカルな経済発展」
  3. TVジャーナリストにより「エコロジカルな経済の奇跡・・21世紀における仕事と経済・・」

の3つの講演が行われたが、これはすべて経済と環境との両立がいかに大切であるかを経済界も考え始めている証拠である。

「雇用と環境について」の調査研究

上記の調査を実施し、環境政策と雇用との関係を明らかにした上で、政治家がいっているような環境政策によって雇用が低下することはないということを示していく予定である。
その例としては、

  1. BUNDと第三次産業関係の大きな労働組合が一緒になって、「環境に根ざした経済の進め方は雇用を拡大するかどうか」を裏付ける調査
  2. 労働組合の基金とブッパータール環境研究所と協力して、「環境と雇用のつながりについて」2年計画で調査研究

5) BUNDと緑の党との関係について

BUNDの方が歴史も古く、会員数も多い。BUNDの会員が緑の党の党員であることも多く、またBUNDが出している環境と税制のコンセプトや自然保護政策などのコンセプトを緑の党が引き継いでいることなどから、近い関係にはある。しかし、BUNDは超党派なので全ての政党との関係をもっており、緑の党だけ優先することはない。環境のためだったらどこの党とでも関係を持つようにしている(緑の党は、BUNDはグリーンのためにあると誤解している面もあるが)。

6) BUNDの政策を国または自治体政策に反映させる手段について

  1. 模範的な自治体の事例を集めて小冊子をつくり、自治体に販売している。
  2. BUNDのローカルグループがアイデアをもって直接働きかける。
  3. 自治体の新聞に模範的な事例を掲載してもらう。
  4. 消費者協会と協力して、自治体の環境アドバイザー対してニュース、新しく制定された法律出版物などをコンパクトにまとめた冊子を有料で配付(10年前から)している。
  5. 消費者研究所と協力して、環境アドバイザーを養成するための、9か月の通信教育を実施し年間100名を育成している。修了者は企業だけでなく、自治体の環境アドバイザーとして活躍している(大学を修了した人対象)。
  6. 自然保護連盟等と協力して、環境都市を決める基準をつくって(毎年変更)環境都市1つを決定している。費用の15万DM(1200万円)は、ドイツ環境基金(連邦の大蔵大臣が作った基金)から拠出されている。ドイツ環境基金は企業の破産金がベースになっており、環境に関する大きなプロジェクトに使われている。
  7. なお、環境都市は各自治体がBUND等が作成したアンケートに直接答え、自己評価するしくみになっている。
  8. BUND独自の調査を実施し(例えばごみに関する自治体の取り組み等)、その結果を会報に載せることにより、各自治体間で議論がまきおこるようにしている。
  9. 自然保護連盟と協力して、ボランティアや市民が開発問題等で困った時にどうしたらいいのかの情報(手引き書)を提供している(ex.決定機関は?反対手法は???)
  10. ドイツ連邦自然保護法29条によって、自然地域の開発、河川の改修、道路建設等全ての内容について、全ての団体に意見がきかれることが保障されている。(連邦規模の問題に対しては連邦の法律で承認されている団体に対して、州規模の問題であれば州の法律で承認されている団体に対して)。その他BUNDに対しては、定められた問題だけでなく、農業、林業、経済等その他のあらゆることに対して、委員会でのヒアリングや委員会委員としても参加(州農業環境省自然保護委員会の委員等)などの形で意見が聞かれるようになっている。これは、最初から大きな団体に参加してもらうことにより、その後の政策が受け入れられやすくなるため。
  11. 経済のエコロジー化に最も関心をよせており、商工会議所と連携して行われる委員会では環境保護団体からのスポークスマンとしての意見が求められている。

2.シェーナウのエネルギー対策

ヒアリング相手 「原発のない未来のための親たちの会」の女性会員
日 時      1997年5月23日


1) シェーナウの町について

シェーナウはフライブルグから南東に車で約1時間30分位、黒い森の中に位置する人口2,500人の小さな町で、主に観光の町である。

2) 活動の経緯

第一期
発端は1986年のチェルノブイリ事故。事故の不安をぬぐい去り原発を止めるために自分たちにできることは「省エネ」であると考え、子を持つ親たちがグループ「原発のない未来のための親たちの会」を結成、「反原発はわが家のレンジから」をモットーに、省エネ・節電コンクールを実施した。そして、反原発を唱えるだけでなく自ら省エネをしようとしたこの活動は、市民からも高い評価を受け、コンクールには町の1割の世帯が参加した。この活動は、現在でも続けられており、他の自治体にも広がっている。
その後も多様な催しを開催したが、全てどこかで原発とつなげて行った。
その一方で、省エネだけではだめではないかとの批判も出たため、車の相乗り運動(これは乗りたい人ばかり集まって失敗)やごみの発生抑制運動などもやった。こうした活動は、直接人々と話すきっかけになり、その後の活動にもつながっていった。

第二期
コンクールを行ううち、せっかく節電しても基本料金をとられ、経済的なメリットが少ないことに気づいたため、電力供給公社にかけあったが、受け入れられなかった。
そこで、持続可能な未来のためには、節電だけではなく、太陽・水・風力・コジェネなどの持続可能な電力供給が必要と考え、グループ自ら小さな会社組織をつくり発電した。しかし、地元に電気を供給している企業(KWR)はこのような形で作られた電力を高く買い上げることはしなかったため、これでは環境にいい発電は進まないとし、30名が出資者となった有限会社を設立した。

第三期
この地域の電力配給権をもっていたKWRは、1990年、市に対して、23000DM/年毎年市に支払うことを条件に、1994年の契約更新前の契約を申し出た。これに対して、市民グループとしては、KWRが節電が報われるような料金体系を取り、地元のクリーン発電を支援するなら契約更新を支持する考えだったが、企業側にはそうした準備はなかった。そのため、市に対して、1990年からの4年間分をグループが支払う代わりに更新をしないよう申し出た。そして、契約切れの暁には、市民独自の手で電力供給をしようと、「シェーナウ電気供給網買収組合」が設立された(出資者280人)。しかし、町議会では、一票差でKERとの契約更新を決議したため、グループは住民投票に持ち込み、1991年市民による供給網の買収が決定した。

第四期
その後、電気配給設備、専門家の確保等多額の資金が必要となったが、ドイツ全土から420万DMが集められ、1994年「シェーナウ電気事業所」を設立。その間グループでは、配電の可能性、料金等について調査を進めた。
その間も議会は企業側に傾いていたが、州の会計検査院が審査してグループの方が優れていると推薦したこともあって、1995年、町議会はこの電気事業所に電気供給権を与えた。

第五期
この決定に対して、保守的で省エネに関心のない一部市民から反対が出たため、再度住民投票が行われたが、接戦の末、グループが勝ち、1996年再度供給権が決定された。これに対して、KWRが供給網引渡価格を契約書の倍に値上げしてきたため、現在裁判中である。

3) 資金源の獲得について

供給網の獲得には多額の資金が必要となるが、それらは寄付によって賄われている。
すなわち、ドイツの場合、寄付行為に対する控除があることから、税金を払うなら寄付の方がいいという市民意識が定着しており、キャンペーンをすれは、直ぐに資金は集まる。悩みは、集まった資金をどう管理し運用するかにあるということである。

4) 運動の進め方のポイントについて

講演会やコンサート(ロックからクラシックまで)、老人会の集まりなど、あらゆる機会をとらえ、みんなと話をすることに努めた。また、デマや中傷に対抗するため、賛同してくれる可能性のある人の家を個別に訪問し説得して回った。また、市場に立って説得することもしたが、どのような場合でも、感情的にならぬよう冷静に対応していった。さらに、市民の賛同を得るため、省エネアドバイザーを行ったり、ウクライナから子供たちを招待したり、電熱温水器を20%安く販売するなど、日頃から市民との対話を心がけたことが功を奏したと思われる。


3. フランスにおける環境NGOの活動

ヒアリング相手 ソラーン・フェルネックスさん
日 時      1997年5月27日


1) 背景

彼女は、1910年ノーベル平和賞を受賞したインターナショナル・ピースビューローの副会長で、生物学をベースとした保健医療分野で(ヘルスワーカー)活動している。1977年からフランスの地方議員を経験し、1968~1991年にかけての約30カ月間、緑の党の一員としてヨーロッパ議会の議員としても活動した経験がある。
彼女がこの分野で活動するようになったきっかけは、医者である夫とフランス旧植民地に赴いたときで、現地の貧困、医療不備を見て関心を持つようになった。

2) ヨーロッパのグリーン運動の概要

原則
ヨーロッパのグリーン運動には、単に環境問題だけでなく、社会的な問題が大きなウェイトを占めている。そして、活動の原則としては、

  1. グリーンの中では「他を排斥するのはよくない」、すなわち社会の中での人間間の多様性を重視する、
  2. 非暴力、
  3. 男女平等、

の3つをかかげている。

経緯
1984年フランスの緑の党「リベール」が設立、上層組織グリーン連盟にも加入した。

フランスの今回の選挙にあたって
フランスの緑の党は、市町村並びに地方レベルではたくさんの議席を持っているが、全国レベルでの議席を持っていなかったため、今回、社会党と次のような協定を結び、3名程度の当選の可能性が出ている(実際は 名当選)。但し、こうした協定は、社会党との「結婚」を意味するのではなく、協同戦線である。

- 社会党との協定内容 -

  1. 原子力開発を2010まで中止(2010年というのは古い原発の更新時期にあるため、2010まで中止というのは新設を止めることに等しい)
  2. MOX(プルトニウム+ウラニウムの混合燃料)の使用を止める
  3. 外国の核廃棄物再生処理の契約を結んではいけない

以上の3つは、原子力の凍結を意味する。

  1. 労働時間を32時間/週にすることによって、職場をシェアし、失業をなくす。

- 社会党との選挙協力での協定 -

社会党が立候補した地域では、緑の党は立候補者をたてない

ヨーロッパ各国の緑の党の動き(強いのはどこか)
ドイツ、スカンジナビア(スウェーデン)、オランダなどが強い。イギリスは強いが、選挙制度(小選挙区制)のために議席がとれない。

緑の党の今後の動き(伸びるか、それとも低下するか)
不幸なことに、自動車による大気汚染、工業用水や農業による水問題、廃棄物問題等環境はますます悪化している。
これについて、ドイツなどでは、自動車については公共交通機関の利用を、廃棄物処理については逆転層の発生しやすい地域だけに焼却には反対しリサイクルの推進を、ずっと進めてきた。
しかし、フランスでは大変な問題であるにもかかわらず、何もしていないのが現状。

GATとの関係について
自由貿易の促進ということで、日本、アメリカ、中国の企業とヨーロッパ企業が競争してきたが、負けて工場閉鎖という事態も生み出し、失業も増えている。こうしたことから緑の党としてはGATに反対の立場をとっている。
そして、エコロジカルでソーシャルなガイドラインを持つべきと考えている。例えば、資源保護、廃棄物処理の問題、森林保護等の内容とともに、労働時間・条件、子どもの労働、健康等の問題についても、マーストリヒト条約(ヨーロッパ統合条約)やGATの中で、明記すべきと考えている これは、セネガルや東アフリカでは、これらの国の経済がヨーロッパ市場で決まり、独自の予算すら作れない状況であり、グリーンの原則から考えてもこうした問題についても取り組むべきと考えているからである。

3) フランスの状況について

フランスの環境教育について
非常に悪い状況にあり、真実が語られていない。例えば、環境大臣は環境教育が大切といいながら、現実には政府は「原子力は安全」などという教育を行っている。
しかし、アルザス地方に関しては、スイスやドイツのラジオが聞けるため、情報も伝わり、議論も行われている。また、アルザス地方などでは先生による自発的な環境教育もはじまっている。環境教育については、普及だけでなくシステムが重要と考える。

原発問題について
賛成の人も多いが、反対の人も多いので、新規建設は無理だし、現在新規プラントもない。そこで政府は、プラントや技術を中国やアフリカに売る方向で考えている。
チェルノブイリ以降、政府は正確は情報を隠し続けてきた。政府は、もう影響はない、といっているが、現実にはアルザス地方ではいまだに高い放射能を感知しているし、きのこを食べる動物(いのしし)に異変がおきている。このことについても、政府は「たまにはある」という言い方をするが、いのししは広い範囲を移動する動物であることから、こうした影響が広範囲に渡っていることを示していると思う。
また、チェルノブイリ報告には嘘が多いことから、Permanent People's Tribunal'sVerdict (国際的な医師の団体)では、事故後11年目に会合を開きそれを指摘している。
WHO、IAEAレポートでも安全と書かれているが、これもおかしい。そもそも、 IAEAが原子力の安全性をチェックするのはおかしなことで、IAEAの設置目的を「原子力の開発推進」を削除して「原子力の後始末、安全の確保だけをやる」と書き換えるべきと主張している。フランスでは、新エネルギー開発も省エネもなにもやっていない。そうした状況で、原子力推進するのはおかしなことで、政治そのものがおかしい。武器の製造など禁止し環境に税金を使うべきと訴えている。

4. URESの活動

ヒアリング相手 クリスチャン・ヘイ氏
日 時      1997年5月25日


1) 背景

彼は、1970年代に「成長の限界」を読み、環境経済学に興味を持ったが、大学の授業は魅力的なものではなかったため、行政学を専攻(政治+経済、国際関係論等も学んだ)。しかし、その後、緑の党の地域グループに参加し、1982年に正式入党。1985~1987年まで緑の党の国会議員の経済問題担当秘書を経験した後、1990年ボランティア組織としてURESを設立、1992年からビジネスとして活動している。

2) 現在の仕事の内容について

持続可能な地域開発
農業と観光を組み合わせたエコスーリズムを進めている。黒い森は観光資源としてもよい場所だが、高い金をかける従来型の観光ではなく、農業地域としての景観を利用して、「健康・静かな旅・シンプル」を売り物にしていくことが重要と考えている。短期的にはなかなか困難だが、将来的には有望で、現在は農業や木材工芸品・家具を取り入れたワークショップなどを開催している。

ECからの委託によるヨーロッパの環境政策についてのレポートづくり
主に交通政策や環境NGOについての調査を進めている。交通政策についても、今まではエンジニア中心で政治学的視点はなかったが、今後は交通のニーズを減らし発生量を減らす方向で考えるべき。日本は現実にそうした政策を取り、GNPは伸びたが物流は減ったではないか(これは彼の意見であり現実は決して減っていない)。

3) ドイツの緑の党について

誕生の背景と経緯

  1. 過去にファシズムに走ったことへの反省
    68年プロテスト時代の人は、それ以前のファシズムに反発した世代であり、グリー ンは環境だけでなく、平和主義運動でもあった。
  2. 1970年代に出現した共産主義の戦略家たちの凋落から学んだ現在グリーンのリーダーの中には、20年前は中国共産主義を支持していたが、今は改革派になった人もたくさんいる。70年代にあった様々なグループ(女性、平和など)が、協同してエコ・ソーシャリスト・パーティをつくったが、90年代に入ると、市場経済に根ざしてはいるがそれを改革する党に脱皮している。また、1980年代、グリーンはアウトサイダーであり反資本主義であったが、90年代に入って戦略を変え改革派になったため、中産階級以上からも支持されるようになり、支持層が広がっていった。一方、グリーンが成長するにつれ、極端な女性主義はうすれていった。従来の極端な女性主義では家族というものが無視されてきたが、現在グリーンでは、家族問題やこども問題も重要課題になっている。グリーンの国会議員のうち、おそらく60%は女性であろう。

ドイツでなぜ緑の党は伸びているのか
1989年東西ドイツの統合以来、グリーンは下火になっており、国会議員選挙では、西ドイツでは5%以下の支持率であった。その理由は、他の政党が統合について語っていたのに対して、緑の党は気候変動について訴えていたため。しかし、現状では次のような点が考えられる。

  1. 社会条件の変化
    ドイツではいくつかのグループに分かれているが、最近は今までとは違ったライフスタイル(例えば有機農業や自転車利用など)を求める環境派の人々が強い基盤になりつつある。特に大都市ではその傾向が強く15~30%位、全国的にも5~10%位はいる。彼らは、単に環境だけでなく、女性問題、家族の問題等にも関心を持っており、緑の党としても、単一に環境問題に関わる政党ではなく、女性・家族・農業など多様な問題と関わる政党に変化している。また彼らは、サービス産業に関わっている人が多く、教育水準も高く、相対的には安定的な価値観を持っている。さらに、グリーンリーダーになっている人達は、1968年のプロテストの時に社会問題に目覚めた人達で、彼らは単にプロテストしただけでなく、マスメディア・情報産業・研究所等新しいタイプの企業活動も展開している。
  2. 環境対策と失業に関する考え方の変化
    環境保護対策のために仕事が失われているとは、雇用の中心にいる人は思っていない。政府でさえ、環境対策は職を生み出すといっている。 しかし、最近の不況により、競争を煽る社会状況が出てきたため、政府もトーンダウンしている。また、最近はライフスタイルに対するイシュ(例えば移動)が重要になってきているので、環境保護をしたからといって職を生み出すとは簡単にいえない状況にある。

今後のグリーンの見通しについて
次の選挙では伸びることが予想される。しかし、ただ伸びればいいというのではない。伸びれば大きな政党から阻害される恐れがある。

4)他のヨーロッパの国々のグリーンの動向について

北欧ではグリーンが強く、特にデンマークは強い。オランダは今は余り強くないが、今後強くなるだろう。イギリスには強いグリーン運動があり、おそらくヨーロッパで最も有能なリーダーがいると思うが、小選挙区制度のため、小さいグループは極めて不利な状況にあり、政党として力を得る見込みがないので、NGOとして直接働きかける道をとっている。フランスも同様で、選挙制度のため小制度は不利な状況にある。しかし今選挙では、社会党と協定を結んで影響力を得ようとしている。
イタリアでは、環境省がグリーンの影響を強く受けており、グリーンは強いが、選挙結果に出ていないため、他の政党と協定を結ぼうとしている。
フランスでも、70年代はグリーンが強かったが、中央集権システムが強すぎたことが影響してその勢力が低下していったが、ドイツの場合、地方分権がされているため、グリーンが入り込める余地があったのではないかと考えられる。


5. ホテルビクトリアの環境対策

フライブルグ駅近くにあるホテル・ビクトリアは、環境ホテルとして認証されている。そのパンフレットには、次のようなことが記載されている。(3つ星、63室90ベット)


1) 環境対策はホテルビクトリアの重要な精神

環境保護は、我々の極めて重要な関心事である。
我々は、環境保護者としての目標をさらに高めるためには、より高いコストを払う準備がある。実際に、環境にやさしい対策により、幾つかの面ではコストを下げることができた。環境保護に向けての取り組み事項は次の通りである。

客に対する環境にやさしい手段

ヘミングウェイバー(カクテルバー、60席)での環境対策

事務所での環境対策

従業員のための環境対策

※従業員による環境にやさしい行動は、すべて自主的に行われている。他の人がまねしてくれるよう、事例を作るというのが我々のポリシーである。
※お客様からの提案をお待ちします。

2) 社会における我々の立場

我々は社会的責任を自覚し、それゆえに注意深く選択された社会的環境的プロジェクトを推進し支持する。社会と個人の健康を我々のビジネスで擁護し、我々の全ての決定において、このことを十分に考慮に入れる。

環境教育関係

 
自然の木をつかって遊ぶ子供たち

環境教育は、市民の環境意識形成の基盤であり、社会システムづくりの基盤とも言える。そこで、ドイツにおける環境教育、特に人間形成の最も重要な時期と考えられる幼児期における環境教育の実態について、ヒアリング調査を実施した。

1. BUNDにおける環境教育(幼児対象)

ヒアリング相手 BUND幼児環境教育担当者 ミヒャエルネッチャー氏
日 時      1997年5月22日


1) BUNDの幼児を対象とした環境教育について

BUNDでは、幼児から成人に至る全ての人々に対して、環境教育を実施しているが、幼児環境教育部門では、3~6才の子供を対象に、環境教育を推進し、そのために必要なプログラム開発を行っている。そして、最近は主に、子供たちの活動の場である幼稚園の室内、屋外を環境教育の目的に合わせて作っていく活動を行っている。その際、効果的な環境教育を行うためには、子供+保育者+両親のネットワークが重要であることから、保育者に対する環境教育も行い、活動には両親も巻き込んでいる。
例えば、子供に対しては、日常の生活や遊びの中で保育者に対しては、育成講座、研修、養成大学などで親に対しては、保護者会などで
一方、保育者に対する研修例としては、5日間の日程で、エコでない幼稚園見学やエコ幼稚園見学などを行いながら、自分たちで何ができるかの設計図を書き、まわりをどうまきこむか(資金調達や広報の方法等)を学ぶような研修を行っている。

2) BUNDの環境教育の基本的スタンスについて

  1. 地域の状況と子供の関心にあわせた教育を行うこと、子供が関心(動機・気づき)を持ったときに学習の目標を決めることに主眼を置いている。

例えば、
子供が粘土で遊んでいた
      ↓
粘土のあるところへ行こう
      ↓
何でいく?自動車or自転車or歩く
      ↓
皆の話し合いで決め、その過程で環境への意識を高めていく
      ↓
粘土をとりにいく・・暑ければ泳ぐし、寒ければ違う遊びをする
      ↓
濡れた布にくるんで持ってかえる
その場の状況や子供たちの意見によって違った進め方をとることは、そのプロセスの中で子供の多様な能力(知性、感性、運動機能、社会性等)を育て、生活に根ざした学習を促すことになる。すなわち、社会の価値観やしくみは不偏のものではなく、常に変化するものであることから、その場の状況に合わせて、フレキシブルに自分で判断し、計画し、行動し、表現する方法を子どものうちから学ぶことが重要であるとの認識に立っている。そして、環境教育についても、その場の状況に合わせて実施することにポイントをおいている。それが社会に出ても、臨機応変に対応できる能力・勇気や創造力、さらには自然への責任感や社会性を培うことになるとの基本認識をとっている。

  1. ローカルアジェンダの視点も考慮している

例えば、粘土や木で遊ぶことと、輸入品のおもちゃで遊ぶことを比較することによって、現地での労働や輸送にかかるエネルギー、化学物質等について学んだり、木や食べ物をとおして、「循環」を体験的に学んだりしている。
また、エコ幼稚園では、ソーラー、バイオガス発電等持続可能な社会作りの視点も入れており、ローカルアジェンダの実践の場にもなっている。
さらに、上記1)の粘土の学習でも、自動車の発展が技術の発展の全てではないこと、電気自動車やリサイクル可能な自動車ができても、環境負荷はゼロではなくパーフェクトではないことを訴えることによって、途上国に対する持続可能な社会のあり方を示している。

3) エコ幼稚園づくりのポイント

  1. 行政からの押し付けではなく、個人個人が体験の中から学んでいく事が大切であり、自主的な活動を行うには、保育者がまず「やりたい」と思うことが大切。
  2. 保育者、親、子供の三者が一緒になってやること。
  3. 「エコ幼稚園」という画一的なものがあるわけではないので、それぞれのプロセスを重視して、独特のものを作り上げていくこと。
  4. エコ幼稚園作りには、外(社会)とのかかわりも含んでいる(例えば、資金調達や広報活動など)が、資金調達等の方法についても、地域性や社会的状況、保育者・親のスタンスなどすべてが違うため、一定の決まりきった方法はない。「自分たちにできる方法でやる」ことが大切。

エコ幼稚園作りは、民主主義的な市民参加の方法を学ぶプロセスであり、エコ+民主主義を学ぶ場である。そうした保育者・親に育てられた子供がまた民主主義を学ぶことになる。よって前もって与えられたプログラムがあるわけではなく、それも自分たちでつくっていくことがポイントとなる。

4) エコ幼稚園作りに関する基本的手順

  1. 保育者が、自分は何をしたいかを模型を作ったりスケッチしたりして提案する。
  2. 両親についても同様の作業をしてもらう。
  3. 子供にも絵を描いてもらう →「こんな幼稚園で遊びたい」(6歳児程度なら可能)
    ※3者とも、エコ幼稚園とはいかなるものかは知らない
  4. それぞれ意見を出し合い、親の職業をいかしたり、見学に行ったり、文献調査をしたりしながら、解決策を模索していく。
  5. プロセスの中に専門家を巻き込んでいくようにする。BUNDもその一つとして助言していく。
  6. (助言内容)

    • 組織作りに関するノウハウ
    • 人と人をコーディネート
    • 話し方やみんなを巻き込む手法(メディアテクニック)
  7. 具体的な実施にあたっては、資金面でどれくらいなら可能か、資材が手に入るか、労力・時間を保育者・親がどれくらいかけてくれるかによって違うことから、実情に応じて、可能な所から始める。

5) エコ幼稚園の事例・・遊び場に木をつかう

◎子供が「木」との関係を持つことが重要(手順)

  1. 「木はどこからきているか」を知るために、森に連れていく
    • 並んで行儀良くいくのではなく、子供の好きなように
    • 木にさわったり、まつかさを集めたり、好きなように遊ばせる
    • お弁当も自然の食材をふんだんに使って
    • 幼稚園にある木と森の木を子供たちのなかでつなげることが大切
    • 木や森のなかに生命があることも知る
  2. 製材所に連れていく
  3. 家具屋に連れていく・・・森の木が姿を変えていく様子を体験する
  4. 森の木や製材所の木を幼稚園に持ってきて、道具を使ってものを作ったりする
    • 道具部屋には、のみ・のこぎり・ナイフなどを置き、子供が好きな遊びができるようにしてある
    • 保育者がそれぞれついているが、子供のやりたいことを補助するだけ
    • なぜ木を使うのか知らず知らずのうちに、「物質循環」を体験的に学んでいくことができ、こうした基礎体験が大人になったときの環境保全活動に役立つ。
      木がはえる → 育つ → 加工される → 使われる → 使いおわってもまだ使える(木がらの道など土に帰って) → また新しい木が育つ
    • 国産の木がたくさんあり、それらは今後育っていく。子供のときから木に親しんでいれば、彼らが大人になったとき、木造の家を作ったり家具を作ったりして、国産材のよき消費者になっていく、という効果も狙っている。

6) BUNDの環境教育に関するロビー活動について

BUNDの活動の全て、環境教育活動の全てがロビー活動につながっている。例えば、州の運輸・環境省の諮問委員会の研究グループの一員(役人、BUND、幼稚園協会、自治体等がメンバー)として参加し、「交通の少ない幼稚園」を提案している。その他、本の出版なども行っているが、それに関しても、州としてはアンケートを行い現状把握を行い、それに基づいて新しいプログラムや幼稚園のあり方について提案し推進している。

7) なぜ、ドイツではNGOが力を持っているのか

  1. ドイツ連邦自然保護法第29条によって、NGOはあらゆる環境に関する法の改正、計画について意見を述べることが保障されている。
  2. 多様なNGOが多様な環境教育のプログラムを持っており、省の仕事をいわばNGOが肩代わりしているような状況から、行政からも感謝される立場にある。
  3. 資金的な援助は行政からは一切受けず、紐付きにならずにやっている。(資金は他の仕事でとってくる)
  4. 市民の環境意識が高く、活動に対する支援がある。
  5. NGOと行政が対立する時代は終わり、協調する時代になっている。しかし、政治的な発言については必ず批判を行うようにしている。すなわち、活動では協力を、政治的には批判を、を原則とし、互いの力を補完しあっている。但し、発言の仕方や表現方法については工夫している。
  6. 優れた人材がそろっており、草の根ではなく、専門家集団としての力を備えている。
  7. これからの時代は、環境がメインとする考え方が国内で主流になりつつあり、行政内にもそうした人材が数多くいる(25年前原発問題で戦った人が省内にいる)。

2. エコ幼稚園・学童保育所

1) 施設の背景・概要

園児数
72名の幼稚園児と30名の学童保育児の合計102名を預かっているが、そのうち、3分の2が外国人で20か国の子どもである。

生活時間
基本的生活時間は幼稚園児は7:30~17:00、学童は昼食~17:00まで

地域特性
貧しい人、外国人が多く住み、失業者も多い貧しい地域で、狭くて安価な高層住宅に住んでいる人が多い。また緑は自然の緑ではなく、作られた緑で、自然環境もけっして豊かではない。4人に1人は貧しい子供たちで、この施設では2人に1人が児童保育手当てを受けている。

2) 施設で行われる活動概要について

子どもとのかかわり

  1. 自由に遊ぶことによって、子どもは経験し、試し、自己開発を行っていく
  2. 指導によって導かれる
  3. プロジェクトの形をとる
    こどもの要求に応じて関わり方にも変化をつけるなど、こどもを大人と同様に完全な個人として扱うよう心掛けている。(子どもは大人と同じ力を持っているがその成熟度が違うだけ)

親とのかかわり
園での指導と家庭でのしつけの一貫性をとるために、両親も園の活動に巻き込むようにしている。しかし、この地域の人は外国人が多く言葉が不自由であったり金銭的余裕がない親も多いことから、まず園に来てもらえるよう「おしゃべり会」のようなものを催したり、お祭り、壁塗り、庭の丘作りなどに参加してもらったりしている。

公共とのかかわり
園として地区の催しに参加したり、地区にある他の機関(児童館等)との連携や体験遊び場作り、地区対抗サッカー大会への参加、フリーマーケット等、地区の人を巻き込む行事を行って、地区全体で家族的な付き合いを心がけている。
すなわち、園は親同士、地域の中での連帯作りの機会と場を提供する施設であり、貧困による孤立化を防止する役割も持つ。

3) エコ幼稚園化について

特にエコ幼稚園ではないが、自然とのかかわりをできるだけつくるようにしている。

(エコ幼稚園化の経緯)

  1. 園では野外施設が重要な要素になるが、4年前滑り台が壊れたのを契機に、どうせお金をかけて作るのならもっと自然の要素を、ということで始められた。
  2. 最初に子どもに、何が欲しいかを聞いたが、要素としては、水・火・土・空気、活動として、登る・隠れる・つくるなどの意見があげられた。
  3. コストとして4万DMが必要となったが、資金調達にあたっては、両親が立ち上がりカーニバルでくじをして集金したり、寄付を募ったり、スポンサー探しをした。スポンサーとしては会社の宣伝をするという条件で、ロンバ(本屋)が2万DMを出資してくれた。
  4. 2年前に完成したが、現在も丘作りが保育者と両親との協働作業で進められている。親が「私たちがつくった」という意識を持つことで、園とのつながりが強化され運営がスムーズに進むようになる。

4) 園としての環境教育の基本的スタンス

  1. 押しつけられればどこかで爆発する、克服するには楽しいほうがいい、という前提で、社会的基準ではなく、どれだけ子どもに見合った教育を行えるかを目指している。但し、全く規則やルールがないわけではなく、食事のマナーや交通安全等の指導は行う。
  2. 目標として、世の中にあった人を育てるのではなく、創造力のある人を育てることに主眼を置いている。なぜなら、ドイツ経済は失業も多く、高い賃金のため今後生産部門に 重点を置くとやっていけなくなることから、創造的産業に重点を置くようになる。
    そのためにも子どものうちから、体験を通して創造性を育てることが重要と考える。
  3. ただ環境に対してだけでなく、変化する社会の中で生きていける、社会に対して貢献できる総合的な人材の育成をめざしている。教育界には、体験、エコ、状況に応じた教 育など様々なブームがあるが、ここでは一貫して、こども、地域、状況にあった育て方 があり、それを環境教育の一言ではくくれないと考え、あえてエコ幼稚園とは言わない ようにしている。

5) 行政とのつながりについて

経営者は教会であるが、職員の給与は40%を市、30%を州、30%を教会が負担している。市の財政も厳しいことからスポンサーに頼らざるをえない状況にある。