「飲料自動販売機の適正な設置、管理、運営及び利用
に関する条例のモデル」提案に添えて

私たちは、飲料自動販売機の持つ利便性に慣れすぎて、都会や農漁山村、さらには山の上に至るまで飲料自動販売機があることに何ら違和感を感じなくなっています。

しかし、飲料自動販売機は休むことなく稼動する際にエネルギーを消費するだけでなく、そこで買い求められた商品の容器である缶、びん等の一部が道端等に投げ捨てられ散乱ごみと化し、資源の浪費にもつながっています。また飲料自動販売機は広告としても利用されていることから、街の景観上の問題ともなっており、さらに場所によっては歩行等の障害となっているものもあります。

私たちは、飲料自動販売機の利便性並びに飲料自動販売機に関わる業界が取り組んでいる省エネルギーなどの自主的な努力を評価しないものではありません。しかし、飲料自動販売機が環境等に及ぼすさまざまな問題が依然としてあることに鑑みて、そのあり方は見直されなければならないと考えます。

私たちは、飲料自動販売機に象徴される利便性を当然として何より優先し、環境の負荷や景観の悪化を看過しがちな現在のライフスタイルを見直し、節度ある飲料自動販売機の設置、管理、運営及び利用を促し、もって現在の大量生産・大量消費・大量廃棄の社会システムを転換するとともに快適な都市環境を形成する一つの契機としてこの条例のモデルを広く提案します。

1999年1月
21世紀の環境と文明を考える会
代表 加藤 三郎