ストップ温暖化!ファミリーパレード
京都議定書を守れ!-NGOのアピール-
(2001.6.9)





衆知のとおり、3月末に米国のブッシュ大統領が京都議定書の不支持を表明した。これはCOP6決裂に続いて、世界中に大きな衝撃を与えた。

これに対し、各国では、米国を議定書交渉に引き戻すための努力をする一方で、米国抜きでも京都議定書を発効させるべきであるという主張が噴出している。海外のNGOは、ホワイトハウスに抗議の電子メールを送るキャンペーンや、ブッシュ氏の議定書離脱に最も影響を及ぼしている石油大手5社を名指した不買運動などを展開している。

日本のNGOも、米国大使館への声明の発表、川口環境大臣や小泉総理大臣との面談、新聞の意見広告など、積極的なロビー活動をみせた。衆参両院で日本の批准を明記した決議を採択できたのは、そのようなNGO活動と国民の支持の成果と言えるだろう。

当会も政府に京都議定書の早期批准を求めるべく、他団体にも声をかけて「ストップ温暖化!ファミリーパレード」を企画した。

6月9日午後、約550名の参加者が代々木公園に集まり、渋谷、明治通り、神宮前、そして代々木公園までの約4kmの道のりを80分かけて練り歩いた。パレードのために作った「明日があるさ」の替え歌を歌う人、手作りの横断幕やプラカードを持つ人、自ら拡声器を持って掛け声を出す小学生、ブッシュのお面を被る人など、思い思いのパフォーマンスをみせる。道行く人々も、とても興味深そうにこちらを見ていた。パレードの先頭集団は、ベビーカーに乗った赤ちゃんたちだ。この子らが大きくなる頃の温暖化の影響を少しでも和らげるよう、私たちには大きな責任があるのだ。 なお、以下のような声明文も採択し、これを後日、関係省庁とアメリカ大使館などに届けた。


声明文

地球温暖化の科学、影響および対応戦略について調査を実施してきた国連の専門家たち(IPCC)が、今年に入って相次いで地球温暖化の恐るべき潜在的な危機を明らかにしました。その最中、こともあろうに、ブッシュ米国大統領は、京都議定書からの離脱を表明しました。日本をはじめ世界の国々の関係者が、米国に京都議定書にとどまるよう説得していますが、この反動的な政策を転換する動きを全く見せていません。

現在および将来世代の安全や幸せを願って、本ファミリーパレードに参集した私たちは、この事態をただ傍観しているわけにはいきません。私たちは、ブッシュ政権が速やかに京都議定書に復帰し、温暖化に責任のある他の先進国ともども、一刻も早くこの議定書を批准するよう、強く求めます。

また同時に、日本の国会、政府の政策担当者は、たとえ米国抜きでも、EU等先進諸国とともに、京都議定書が2002年までに発効するため、率先して批准するよう強く求めます。

2001年6月9日
ストップ温暖化!ファミリーパレード参加者一同