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  • 平成14年度(2002年度)「環境教育・環境学習推進法骨子案の提案と法制化に向けた働きかけ」

持続可能な社会をめざす環境教育・環境学習の推進を

環境文明21内の「環境教育部会」では、持続可能な社会の実現に向けた環境教育・環境学習を推進するために必要な法整備について、その骨子案をまとめる作業を進めてきました。

このたび、この部会から「環境教育・環境学習推進法をつくろう!実行委員会」が立ち上げられ、法制化に向けた気運を高めるために、7月20日、東京・駒場でシンポジウムを開催する準備が進められているところです。法制化に向けて、より広がりをもったアピールにしていきながら、多くの方々に意見の交換に参加していただき、より現実的な法制化に向けた動きにしていこう、と思っております。みなさまのご参加をお待ちしております。

環境教育・環境学習推進法をつくろう!シンポジウム 無事終了しました!

日時 2002年7月20日(土)13:30~16:30
場所 こまばエミナース
東京都目黒区大橋2-19-5
(井の頭線「駒場東大前」西口より徒歩5分)
内容 1. 環境教育の現状と問題点(学校、市民、企業、行政の立場から)
2. 趣旨、骨子説明
3. 骨子案をめぐって会場との討議
4. 議員、政党コメント
5. 今後どう展開させるか
申込み メールまたはFAXにてお申込み下さい。当日参加も可能です。
メール送信先:CQA04712@nifty.ne.jp
FAX送信先:044-411-8977
参加費 無料(カンパ大歓迎)
主催 環境教育・環境学習推進法をつくろう!実行委員会

持続可能な社会をめざす環境教育・環境学習の推進を
(環境教育・環境学習推進法の提案)

2002年5月 環境文明21・環境教育部会

1.持続可能な社会をめざす環境教育・環境学習

全国各地で深刻化している廃棄物問題、21世紀の地球を脅かす温暖化問題など重大な環境問題の原因は、大量生産・大量消費・大量廃棄を基調とする今日の社会のあり方そのものにあるといえます。

大量のモノに囲まれ、さらに新しいモノを求め、少し古くなったモノは惜しげもなく捨てるという今日の私たちの社会は、地球の資源を浪費し、かけがえのない環境の持続性を損なっています。また、そうした社会では、精神的な豊かさよりも物質的な豊かさが、人間的な価値やゆとりよりも経済的な効率や利便性が重んじられ、個人・家族・地域・学校・職場あらゆる場面で人間社会の持続性さえも損なわれています。

こうした大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会のあり方を見直し、環境的にも人間的にも"持続可能な社会"を構築していく必要があります。そのためには、私たちを取り巻く様々な環境問題の状況を理解し、その要因を私たちの日常生活、地域や仕事、さらには私たち自身の価値観や社会経済のあり方と関係づけて捉え、持続可能な社会の構築に向けて自ら選択・行動することができる人をつくること、すなわち「持続可能な社会をめざす環境教育・環境学習」を進めることがとても重要です。

2.環境教育・環境学習の推進のために

環境問題が深刻化するとともに、人間性さえも阻害する社会のあり様が問われる中で、持続可能な社会の実現に向け「環境教育」、「環境学習」に取り組もうとする行政担当者・教師・企業・市民団体が全国各地に誕生しています。しかし、国や自治体、学校、企業などの現場では、一部の例外を除けば、組織的な取組がはなはだ弱体な状況です。

こうした状況を打開するには、第1に、持続可能な社会実現の牽引役となるべき国と都道府県が、環境教育・環境学習の推進に関する総合的な計画を策定し、これを明らかにしつつ実施することが必要です。そうすることによって初めて、国と都道府県の十分な関与のもと、全国津々浦々の地域・学校・職場の力を結集し「環境教育・環境学習」を強力に推進できるはずです。

そこで、次のことを提案します。

第2に、環境教育・環境学習の場として重要な学校、地域社会、企業・事業所について、具体的な環境教育等の実施に関する基準を設定し、学校設置者、市町村あるいは事業主の責任ある取組を求めることが必要です。

そこで、次のことを提案します。

第3に、各地・各主体における組織的な環境教育等の推進のためには、その担い手である人材の育成・確保が欠かせません。前述のように、全国各地には環境教育・環境学習に熱心に取り組む教師、市民団体等が育っているので、その積極的な活用を図りつつ、さらに相当数の人材を確保する必要があります。

そこで、次のことを提案します。

3.環境教育・環境学習推進法案の提案

以上を踏まえて、「持続可能な社会のための環境教育・環境学習推進法案」を提案します。

今日、学校においては総合的学習の取組が進み、市民が良好で潤いのある環境や暮らしを求めるなか、持続可能な社会づくりに向けた「環境教育・環境学習」を推進することは、時宜を得た政策であると考えます。また、企業では雇用形態の変化が進み、多くの働きざかり世代が'生きがい'や'やりがい'を求めるなか、「環境教育・環境学習」という社会的な活動機会を提供することは有意義であると考えます。

なお、この法案では、地方自治体、学校、企業に具体的なノルマを課すことにしていますが、環境教育・環境学習は本来、各主体の自主的・積極的な発意で行われるべきものです。したがって、この法律は恒久的なものではなく、今後5年程度の実施の後、自律的な環境教育・環境学習の定着の見地から見直しをすることが望ましいと考えます。

私たちは、以上の考え方とこれに基づく「環境教育・環境学習推進法案」の骨子案を広く提示し、各方面の皆さま方のご意見をいただきながら、持続可能な社会をめざす環境教育・環境学習の推進について、幅広い議論を続けていきたいと思います。

NPO法人 環境文明21
代表理事 加藤 三郎
環境教育部会主査 藤村コノヱ


「持続可能な社会のための環境教育・環境学習推進法案」
の骨子案

1.目的、理念

2.国及び都道府県の基本的な計画と取組

(1)国及び都道府県は、それぞれの立場から、環境教育・環境学習の推進に関する基本方針、重要施策の実施方針、今後5年間に実施する事業量等を内容とする「環境教育・環境学習推進5カ年計画」を策定する。

(2)国及び都道府県は、上記計画に基づき、環境教育・環境学習の推進に必要な組織の整備、調査研究、カリキュラム・教材等の開発作成、人材育成、市町村・NPOへの支援を行う。
* 計画に盛り込むべき事項は、[付録]参照

3.学校での環境教育・環境学習

(1)国は、学校教育の学習指導要領に「環境教育」を位置づけ、教員の養成を図る。

(2)小・中・高校の設置者は、児童・生徒に、週4時限(当面2年間は、2時限)以上「環境教育」を行わなければならない。

4.地域社会での環境教育・環境学習

(1)市町村は、住民に年24時間以上の「環境教育」の機会を提供しなければならない。

(2)住民は、地方公共団体が行う「環境教育」に参加し、又はこれに替わる環境学習を行うようにしなければならない。

(3)市町村は、住民への環境教育を実施し、並びに地域内の学校設置者及び事業者が行う環境教育を補助するため、人口2千人当たり1人の「環境教育推進員」を配置する。

(4)市町村は、以上の実施に当たり環境保全活動を行う民間団体の協力を得るようにする。

5.職場での環境教育・環境学習

(1)事業者は、従業員に、年12時間以上の「環境教育」又はこれに替わる環境学習の機会を提供しなければならない。

(2)商工会議所等は、中小事業者による上記の実施に適切な協力をする。

6.この法律の見直し

この法律は、施行の5年後までに、自律的な環境教育・環境学習の推進の見地から見直しを行い、必要な改正を行う。

[付録]

1.国の計画に盛り込み、実施すべきこと

(1)組織の整備

(2)人材の育成

(3)資金の支援

2.都道府県の計画に盛り込み、実施すべきこと

(1)組織の整備

(2)人材の育成

(3)資金の支援