三峰川発電所の小水力発電事業
【画期的な水力発電所】
長谷村にある三峰川発電所は、2010年1月に資源エネルギー庁主催の第14回新エネ大賞において「新エネルギー財団会長賞」を受賞しました。新エネ大賞は新エネルギー等に係る機器の開発、サービスの提供、設備の導入及び啓発の取り組みについて表彰するものです。今回の受賞は、三峰川発電所の画期的な小水力発電事業に対するものです。
【小水力発電事業とは】
水力発電の特徴として、
- CO2排出量が極端に少ないクリーンなエネルギー
- 貴重な純国産エネルギー
- 繰り返し利用できる再生可能なエネルギー
であることが挙げられます。
これらに加え、小水力発電は、
- 建設時の環境負荷が少なく、短期間で設置できる
- 使用する水量が少なく、河川水質や水生生物等の周辺生態系への影響が小さい
- 地方分散の小電力需要に臨機に対応できる
ことが大きな特徴として挙げられます。
【三峰川発電所の概要】
三峰川発電所は、CO2を排出しないクリーンな再生可能エネルギーである小水力発電事業を積極的に推進しています。これまでに、三峰川第三発電所(260kW)、三峰川第四発電所(480kW)の特徴的な2か所を開発しました。第三発電所は、既設発電所の鉄管を分岐し新たな発電を行うと共に、放流水を既設の三峰川第一発電所(22,100kW)の水車発電機の冷却水として再利用する方式です。第四発電所は、三峰川第一発電所の放流水の一部を再取水して再利用する方式です。
特に昨年に運転開始した第四発電所では、FRPM埋設管(強化プラスチック複合管)の採用と汎用型水車発電機を6台並列設置し台数制御することで、流量変動の大きい用水での運転効率化と建設コストの低減を実現しました。
汎用型水車発電機
第三発電所および第四発電所によるCO2削減効果は、年間3,000トン(排出量係数は全火力電源平均0.6kg-CO2/kWh)であり、このノウハウを活用し小水力開発を積極的に進めています。