• トップ >
  • 政策提言 >

  • 平成22年度(2010年度)「緊急アピール「今こそ安心・安全で、心豊かに暮らせる持続可能な環境文明社会を!!」」

緊急アピール「今こそ、安心・安全で、
心豊かに暮らせる持続可能な環境文明社会を!!」

平成23年3月31日
NPO法人環境文明21
共同代表 加藤 三郎
共同代表 藤村 コノヱ


私たちは、成立以来約18年にわたり、環境問題を文明の問題としてとらえ、人間社会を持続させるため、どのような社会像を目指すのか、それを実現するために、どのような価値観や制度が必要なのかについて、探求し続け、その都度、社会に向けて提案してきました。

残念ながら、これまでは、多くの人たちが、経済の成長や効率性、物質的豊かさ、利便性・快適性に心を奪われていたこともあって、これらの提案はあまり顧みられることがありませんでした。

しかし、今回の未曾有の大地震と津波、さらにそれに誘発された福島原子力発電所事故は、私たち一人一人に、本当の豊かさ・幸福とは何かを改めて考え、社会をつくり直す大きなきっかけを提供しています。

今こそ、私たちがこれまで提案し続けてきたことを、新しい持続可能な社会づくりの「羅針盤」として活用して頂きたいと願います。


1.今回の大災害や原発事故を教訓とした提案

(1)エネルギー政策の抜本的見直しと政策形成の民主化

今回の原発事故により、原発の低コスト・安定供給神話は崩壊しました。また、全ての市民の生命基盤であるエネルギー政策が、経済産業省、一部政治家、一部専門家、業界を中心につくられてきたことは明らかに間違いです。
こうしたことから、

  1. 原子力最優先のエネルギー政策を抜本的に見直し、安心・安全な再生可能エネルギーへの早期転換を図ること。
  2. 多くの市民・NPOの参加のもとに、民主的な方法で人々の生命に関わるエネルギー政策を形成すること。
  3. 現行のエネルギー供給システムを見直し、エネルギーの集中と地域分散化を並行してすすめること。

(2)技術万能主義からの脱却

自然は多くの恵みを与えてくれる半面、想像を絶する猛威をふるう事を改めて思い知らされました。また、原発の安全神話も崩壊しました。
こうしたことから、

  1. 人間の力は自然の力を越えることはできないことを自覚し、自然の理に沿った技術、自然と共生する技術、持続可能な社会を支える技術の開発と定着をより重視すること。
  2. 技術者、特に原子力など生命に関わる技術に関与する者の倫理教育を徹底すること。

(3)快適さや物的豊かさの追求からの方向転換

今回の「計画停電」で、節電や省エネもやればできること、明るすぎる照明などを消しても決して不便ではないことがわかりました。そして、人々の互いを思いやる心がどんなにうれしく勇気づけられることかも知りました。
こうしたことから、

  1. 人間にとって何が最も大切かを考え直し、ささやかでも、安心・安全が確保され、人々との絆や信頼を基礎とした暮らし、自然との調和の中で本当の豊かさや幸福が実感できる暮らしに転換していくこと。

(4)地域資源を活用した、しなやかで強固な街づくり

石油などの化石燃料に依存した生活のもろさや、地域の自然特性を軽視した街づくりの愚かさを知りました。その一方で、地域に住む人々の知恵やたくましさ、助け合いの姿は、世界中の賞賛を集めました。
こうしたことから、

  1. 地域の人や自然資源を可能な限り活用し、各々はコンパクトな街でも他地域との連携により自然災害にも適応できる地域づくりを進めること。

2.私たち環境文明21は、以上の提案も含め、今後、新しい地域・社会づくりに向けた包括的な提案とそれらを踏まえた活動を行います。

【今後の具体的な活動】

  1. 持続可能な「環境文明社会」とはどのようなものか、基本的な考え方、現在との違い、そのイメージを、随時、HPや会報、シンポジウムなどを通じて社会全体に広めていきます。
  2. 実現のための具体的な道筋も、同様に広めていきます。
  3. 国や自治体に対して、特に震災復興の手かがりとするよう、提案していきます。
  4. 「これからの地域づくりに役立てたい」という地域を支援します。

【既にあるHP情報】


【ダウンロード】