東北復興応援ワークショップ ~三陸地域~

話題提供 2「社会企業家を目指そう」
渡辺 孝 芝浦工業大学大学院 教授

渡辺 孝 芝浦工業大学大学院 教授

私はもともと銀行員で現実との対応をどうするかということをやってきたので、本来は勉強が嫌いだった。

勉強嫌いの人が大学の先生になるというのは大変なことで、地獄のような思いをした。勉強が好きな人は逆に現実との接点がなかったりするので、良し悪しだったりするが、いずれにしても今日はどうやって自分の生きがいを見出していくかということを含めて議論できれば良いなと思っている。

社会起業家という言葉を知っている人はどれくらいいるだろうか。

私が10年近く前、ソーシャルイノベーションをいう言葉を自分で考え付いたつもりだった。ソーシャルイノベーションということを社会イノベーション、要するに社会の何かを変えていこうということをインターネットで検索したらあまり出てこなかった。

しかし、ソーシャルイノベーションと英語でやると数え切れないくらい出てくる。こんな言葉あったんだということで、その中を紐解いていくと、ソーシャルアントレプレナーという言葉が出てきた。それを翻訳すると社会起業家。

いずれにしてもこの社会起業家は特別なことでは全然ないが、言葉の始まりはアメリカである。10年位前にソーシャルイノベーションというのを紐解いたときに、一番たくさん出てきたのが2001年の頃にスタンフォード大学がセンターフォーソーシャルイノベーションを設立したと書いてある。その中身はスタンフォード大学の経営コース、俗に言うMBAの一部局としてソーシャルイノベーションあるいはソーシャルアントレプレナーが現れ出てきた。

それまでの私の一番の関心事は大学のようなすごい技術があれば、それを事業にして新しい産業を興せば、その国のレベルの高い、所得の多い職業がたくさん生まれるということだった。それが出来るかどうかは分からず、そっちに関心があった。

今日のテレビでもシャープが倒産状況。シャープはアクオスの液晶のすごい会社にも関わらず一年間で潰れてしまう。その理由は何か。10年前シャープは世界一だったが、次の新しいことをどうやっていくかということは液晶で世界一だったからどうしても対応が遅れた。またサムスンやLGといった韓国の企業が今、液晶のテレビで有名だが、彼らも儲からない。なぜかというと中国で作っている。中国の企業がもっと安く売ると韓国の方も儲からなくなる。一つの技術は新しいことをしないと、10年で真似される。一方で、それはある一部の層が日本なりアメリカなりのリーダーシップを取ってやっていることでもあるが、普通の人でもできることがいっぱいある。新しいことはいっぱいある。そういう意味で社会起業家というのは社会の中で大きな役割を担っているのではないかと思ったので深入りしてみた。

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