東北復興応援ワークショップ ~三陸地域~

話題提供2「科学的思考によって環境問題は解決できるか」
山田 一裕  東北工業大学 教授

山田 一裕  東北工業大学 教授

私の専門は水質のコントロール、生き物が水質浄化にどう役立っているのかということをやってきた。3年前まで岩手県立大学の総合政策学部にいた。

今も八幡平市の松尾鉱山の跡地で植樹活動をしている。その関係で土壌改良の活動もしている。海藻の残さなどを土に混ぜ込んで、特殊な土壌環境を作って、その改善をしながら、苗が定着するような活動をしている。

牡蠣殻は牡蠣の養殖がたくさんされていたので、すぐに手に入りやすいが、海藻をどうやって集めるかでいつも悩んでいる。有名なところでいうと田老町(現宮古市田老)の真崎わかめの工場に出向いて、塩蔵わかめの商品にならないやつをもらって、山に持っていったりしていたが、如何せん、手間がかかる。陸前高田にも藻場があった。ゴミになって海岸にうちあげられていた海藻をなんとか山に持っていけないかと、ちょうど被災する半年くらい前に訪れていた。またこの植樹の活動を通して、沿岸域で発生するごみの問題を有効活用できないかと模索している。

この話とは別になるが、水の問題を扱っていると、環境活動されている人の中には、河川の浄化や海岸清掃といった水に関わる方が多い。そのためアドバイスをする機会があるが、研究者や専門家が考えていることが十分に市民の方々に伝わっていない、ギャップを感じることが間々ある。それはなぜかということと、みなさんにとって科学的思考という言葉が難しく感じるかもしれないが、実は普段頭の中で思い巡らせているごくごく当たり前のことをやれば、まず間違いないということを今日は述べていきたいと思う。

 >>東北復興応援ワークショップ第五回全容(PDF/863KB)は、こちら


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