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  • 平成26年度(2014年度)「【緊急提言】気候変動対策の当面の課題について」

【緊急提言】気候変動対策の当面の課題について

2015年4月28日
認定NPO法人環境文明21

共同代表 加藤 三郎
共同代表 藤村コノヱ


21世紀の気候変動(地球温暖化)対策の有り方を選択する本番とも言うべき、パリ会議(COP21)を年末に控えて、京都議定書に代わる新たな法的枠組みづくりに向けて、国内外での動きが活発になってきている。

日本政府は過去20年近く、気候変動問題に積極的な役割を果たさず、国際社会からも、気候エネルギー専門家からも、極めて厳しい評価が与えられてきたが、6月のG7首脳会議に向けて、やっと重い腰を挙げ動き始めた。

環境文明21は、気候変動問題とそれに関連する社会的・経済的問題について、繰り返し、我々の意見を表明し、政策提言を行ってきているが、この機会に、改めて、次の諸点について緊急に提言する。

  1. 一、人類の近未来に極めて重大な、場合によっては、不可逆的な脅威となる気候変動の現実に、日本の政治は真正面から立ち向かい、本来、すぐれた社会システムと科学技術と倫理観を有する日本に相応しい対策を策定し、国際社会からの期待にも十分応えるべきである。 具体的には、省エネと再生可能エネルギーの格段の推進とにより、2030年における日本からの温室効果ガス排出削減を05年比で35%以上にするとともに、2040年から50年に向けての継続的な削減目標と政策の枠組みを遅くともパリ会議以前に明確にすべきである。
  2. 一、再生可能エネルギーは、日本の豊かな自然が創り出す純国産エネルギーであり、これを促進することは、現下の課題でもある地域活性化にも直結するエネルギー戦略である。従って、ここへの投資は、社会的コストと見るのではなく、省エネ投資とともに、未来世代への投資と見るべきであり、国内の雇用創出にもつながるとの認識の普及に政府は努めるべきである。
  3. 一、今後は原子力発電の新増設は行わず、放射性廃棄物の処理・処分に関する国民的議論の進展と併せて、原子炉の廃炉技術を高め、廃炉に従事する人材を養成するなど、今後数十年に亘って、需要の高まる国内外の廃炉関連需要に即応できる体制を計画的に整えるべきである。
  4. 一、エネルギー・環境関連で政府内に設けられている審議会・調査会等の人選に当たっては、政府や一部業界の意見を代弁する者に偏重した人選方式を抜本的に改めて、中長期的な観点からみた適正で公平な人材を国内外から任命するような体制を早急に作るべきである。

以上


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