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更新日:2021年10月11日
気候危機の時代をリードする「政治家としての倫理と政策」に関するアンケート調査結果
認定NP法人環境文明21では、今回の衆議院議員総選挙に向け、各立候補予定者が、気候危機の時代をリードする政治家として、どのような考え(倫理)を持ち、政策を支持しているかについて、以下の要領でアンケート調査を実施しました。
その結果集計が出ましたので、公表いたします。
【調査概要】
- 対象地域:認定NPO法人環境文明21に所属する会員のうち、アンケート調査に協力を得られる会員が所在する13都県 (宮城県、群馬県、千葉県、東京都、神奈川県、富山県、静岡県、三重県、滋賀県、兵庫県、奈良県、鳥取県、大分県)
- 対象者:2021年秋に予定される衆議院議員選挙立候補予定者(8月10日付朝日新聞 予想される顔ぶれ2として公表された方、選挙区のみ)のうち送付先住所が明確な方
- 実施期間:8月23日~9月15日
- 実施方法:郵送。なおアンケート結果については公表する旨明記
- 送付数:287 回答数:132 回答率:46%
【調査結果】
1.立候補予定者の回答結果
「政治家としての倫理と政策」に関するアンケート 回答結果一覧(13都県)(PDF/916KB)
※締切日以降に回答をいただいた方についても随時回答結果を反映しております。
2.政党別、都県別の回答数(回答率)
(概要)
- 13都県全体の政党別回答数について、アンケート発送数が10以上の政党のうち、回答率の高い順に、共産党(回答数40/送付数46=87%)、立憲民主党(46/81=57%)、維新の会(13/29=45%)、無所属(6/15=40%)の順となった。一方、自民党は発送数95に対して回答数は17で、回答率は18%だった。アンケート発送数10以下の政党では、れいわ新撰組(3/8)、国民民主党(4/7)、公明党(1/3)、社民党(1/2)であった。
- 県別では、滋賀県、群馬県など、今回アンケートに関する当会会員の地元協力者と政治家との日常的な関わりがある県ほど、回答率が高かった。こうした県では自民党議員からの回答も多く寄せられ、丁寧な回答を寄せてくれた議員もいた。また地元協力者と立候補者の日常的な関わりのない県でも、郵送の後、電話で回答を促したことから、与野党含め全体として高い回答率になった。
- 一方東京都では自民党の回答率は0%(送付数18)、神奈川県では6%(送付数17に対して回答1)と首都圏の自民党の回答率が極めて低かった。
- なお参考のため、上記13都県外に選挙区を有する各政党代表、並びに今回の自民党総裁選出馬の4議員にも郵送したが、志位共産党委員長からのみ回答があった。
3.設問ごとの政党別回答
(概要)
- 基本政策1-1「科学と予防原則に則り、環境を全ての政策の基本に置く」について
- 回答総数130のうち、優先順位が「極めて高い」との回答は107、優先順位が「高い」は21であり、優先順位が極めて高い政策と考えられている。
- 基本政策1-2「石炭火力廃止、再エネへの転換」について
- 回答総数127のうち、優先順位が「極めて高い」との回答が91、優先順位が「高い」は22、「中程度」は10であり、全体的には優先順位が高い政策と考えられている。
- 自民党の回答者(15人)では、優先順位が「高い」との回答が6、優先順位が「低い」は4、「中程度」は3、優先順位が「極めて高い」は2であり、他党に比べて優先度が低く意見が分かれていた。
- 基本政策2-1「パリ協定に沿った途上国支援」について
- 回答総数130のうち、優先順位が「極めて高い」との回答は93、優先順位が「高い」は30であり、全体的には優先順位が高い政策と考えられている。
- 基本政策2-2「資源・エネルギー消費を削減する法整備と、途上国や次世代に対する公平な政策の実施」について
- 回答総数130のうち、優先順位が「極めて高い」との回答は87、優先順位が「高い」は36であり、全体的には優先順位が高い政策と考えられている。
- 基本政策3-1「脱原発」について
- 回答総数127のうち、優先順位が「極めて高い」との回答は85、優先順位が「高い」は21、「中程度」は14で、全体的には優先度が高い政策と考えられていたものの、他の政策と比較して意見が分散する傾向が伺えた。
- 政党別では、自民党の回答数14のうち「中程度」と優先順位が「低い」との回答が各4、「必要ない」が2、「高い」が3であり、優先順位が「極めて高い」との回答は1であった。一方、立憲の回答数45のうち優先順位が「極めて高い」との回答は32、「高い」は11、共産党では回答数39のすべてが優先順位が「極めて高い」の回答であった。維新の会の回答数13のうち優先順位が「極めて高い」と「高い」の回答が各3、「中程度」は6で、政党により意見が分かれる傾向が伺えた。
- 基本政策4-1「協働による2050年脱炭素実現」について
- 回答総数130のうち、優先順位が「極めて高い」との回答は97、優先順位が「高い」は28であり、全体的には優先順位が高い政策と考えられている。
- 基本政策5-1「環境政策形成過程での市民参加」について
- 回答総数128のうち、優先順位が「極めて高い」との回答は95、優先順位が「高い」は27、「中程度」は6で、全体的には優先度が高い政策と考えられていた。
- 基本政策6-1「炭素税導入」について
- 回答総数129のうち、優先順位が「極めて高い」との回答は59、優先順位が「高い」は36、「中程度」は27で、全体的には優先度が高い政策と考えられていたものの、与野党を問わず、他の政策と比較して意見が分散する傾向が伺えた。
- 基本政策6-2「炭素税の配分は税制中立」について
- 回答総数126のうち、優先順位が「極めて高い」との回答は61、優先順位が「高い」は22、「中程度」は27、「低い」は7、「必要ない」は9で、与野党問わず、他の政策と比較して意見が分散する傾向が伺えた。
4.政党別にみた倫理の傾向
倫理については、全ての項目について、どの候補者も、「十二分にある」「相当ある」という回答が大部分だったが、「ある」「やや足りない」との回答もわずかにあった。
しかし、東京、神奈川では自民党からの回答が1件のみで倫理に関する傾向もわからず、有権者に対する政治家の説明責任という観点からも極めて残念であった。
全体として、今回のアンケートでは多くの候補者から高い倫理観が示された。こうした倫理観の高い政治家が増えれば、日本の政治もかなり変化するはずであり、選挙後もこの倫理観に基づく政治行動を期待する。