1998年7月号会報 巻頭言「風」より

会員の皆様ありがとう-アンケート回答を読んで

加藤 三郎


当会としては、久しぶりに会員全員を対象に会のあり方等に関するアンケート調査を行った。786通の発送に対して、回答は151通で回答率は20%足らずで、私たちが期待していたものを数量的にはかなり下回ったが、お寄せいただいた回答の内容は大いに示唆、教唆に富むものであり、教えられ勇気づけられることが多かった。回答をお寄せ下さらなかった方も、おそらく多忙などでついつい筆をとれなかったのではと推測している。

各回答を一つ一つ読んでいると、会員の英知や熱意が伝わってきて、頭の下がる思いを深くした。筆をとって回答欄をうめて下さった方はもとより、すべての会員に心からお礼申し上げる。

アンケート調査結果は、本号及び次号とで2回にわたって詳しく報告するが、自由記述欄を見ていると、例えば本誌については「私も雑誌の編集をしていたので大変なのがよくわかります。よく続けておられます。ご苦労様です。」というようなやさしい言葉に接するとほっとする。しかし同時に「“考える”のは会員であり組織ではない。会報でも各活動(行事)でも、会員の多様多種(独断偏見も含め)な意見や考え方を数多く発表でき、交換できることを更に進めてほしい。合意をとるために意見をまとめたりしない方がよい。異なる意見や考えが共存できることが大事。」という声もある。これはこれで重要でありありがたい。

同様に会の運営についても、「設立以来「考える会」の参加は多くなったけれどもより活動の輪を拡げなければ、どうにもならないことがあまりにも多すぎるのではないでしょうか。ボチボチ具体的な切り口で行動した方がより効果が上がり意識の高揚につながると思います。」や「これが中心的な活動、大きな特徴だといえるものを1つつくったらどうでしょうか。それに加えて枝葉が発展するという姿になればよいと思います。」さらに「環境問題はもう議論に終始する時期はとっくに過ぎており、実行できることから即実行すべき時であるのに、「考える会」は相変わらず「考えて」ばかりいる。」などの厳しい意見に接すると、5年たってややもするとマンネリになりがちな会の運営に活が入り、大いに役立つ。

いずれにしても、今回お寄せいただいたアンケートへの回答や貴重な意見は、会報の編集、会のあり方などに反映させていただくが、早速まず誌面の構成などに一部変更するつもりである。

私と事務局一同は、会員の皆様の支持と協力がある限り、全力をもってこのユニークな環境NGOたる「考える会」の発展に努めることは言うまでもない。同様に、会員の皆様もそれぞれの立場で会の活動への積極的な参加と、会員や本誌の購読者となって下さる方への勧誘など、会の活動拡大と財務基盤の安定にも何かとご協力いただけるようこの場をかりてお願いする。それなくしては、この会は存続し得ないからである。