• トップ >
  • 政策提言 >
  • 平成13年度(2001年度)「米抜きでも、日本は京都議定書を批准すべき理由」

米抜きでも、日本は京都議定書を批准すべき理由

1.ブッシュ大統領の主張は、全く根拠がない。

(1)温暖化の科学は不確かではない。

(2)途上国が京都議定書で削減義務のないのは不公平ではない。

(3)温暖化対策が米経済に悪影響は与えない。

2.京都議定書は、日本が議長国となって難航の末にまとめた21世紀の人類社会へ向けての極めて重要な外交文書(97年12月)。 日本が米国の主張に配慮して批准しないと、京都議定書は、実質的に「死」んでしまう結果となる。人類史上、画期的な京都議定書を、日本は自らの手で「抹殺」していいのか。

3.日本はEUとの関係で有利な交渉条件(例えば、森林吸収分の増大、排出量取引の制限撤廃など)を獲得するためか、アメリカ寄りの姿勢を必要以上に見せているようだが、この姿勢は日本がリーダーシップを発揮する時を失わせているだけでなく、世界の信頼を著しく傷つけている。この交渉方針を早急に改め、世界の温暖化対策の先頭に立つことが、多くの国民の願いである。

4.日本のなかに、京都議定書に米国が参加しないと中国、インドなどが抜けてしまうとまことしやかに語って、京都議定書を実質的に亡きものにしようと説得しているグループがいるが、この主張には、根拠がない。京都議定書の発効を強く願っているのは、温暖化のインパクトをすでに強く受け始め、また、CDM (クリーン開発メカニズム)で資金と技術が先進国から早く来てほしいと願っている途上国の筈。