「私たちの訴え」の背後にあるファクト

1.日本の衰退を示す様々な兆候
2.衰退に至る経緯
  1. 第二次世界大戦後から1990年頃までは、科学技術を伸ばしながら国土の改変と都市への人口集中を促し、重化学工業や電子・機械工業を中心に日本は国力を伸張、世界も驚くほどの経済成長を遂げ、OECDへの加盟など先進国の一員として大きく発展した。しかしその反面、深刻な環境破壊や大都市・地方都市間の格差、さらに家庭や地域・学校の教育力の低下をもたらした。
  2. 1960年末から80年代にかけて、一大経済発展の代償として発生した各種の環境・エネルギー問題(公害、国土の改変に伴う自然生態系の破壊や石油危機など)が発生したが、日本は対策を真剣に講じ、特に公害対策、省エネなどにおいて顕著な成果を挙げた。
  3. しかし、今世紀に入っては、政府の環境対策へのプライオリティが低下したことや、かつての成功体験に安んじて技術と次世代の産業の発展を促す努力を怠った事などが重なり、人口政策、産業政策も含め、国家として持続可能な未来を形成することにも後れを取ってしまい、日本は「先進国」なのかという疑念も生じている。
  4. 21世紀の今日、戦後の奇跡をもたらした日本の“得意技”の多くは、競争力を失いつつある。今後、日本が稼げる産業力は何かについて、未だ混沌としており、日本の将来、即ち青少年たちの未来についての確たる見取り図はできていないように見える。