- トップ >
- 「今こそ、まっとうな日本の気候政策を創ろう」 >
- 持続可能性についての解説
更新日:2026年10月6日
気候変動による影響が顕在化する中、
私たちの暮らしや日本社会は、持続可能だろうか??
そんな疑問に応えるため、「今こそ、まっとうな日本の気候政策を創ろう」キャンペーンの一環として、実行委員会では主に気候変動に係る国内外の科学的な調査結果などをもとに、議論を重ね、考え方を整理しました。このコーナーでは、随時、気候変動に関連する身近な視点から、現状と課題、そして「持続的かどうか?」についての考え方を解説していきます。
|
4.暮らしの基盤の持続性~特に食料の観点から
食料は人間が生きていく上で必要不可欠なものだが、日本はその多くを輸入に頼っている。一方温暖化は異常気象と言う形で、既に私たちの暮らしに様々な影響を及ぼしているが、特に農作物への影響は深刻で、近年の夏の猛暑や豪雨は、主食であるコメの生産量や品質に大きな影響を与えているほか、野菜への影響も深刻で、それに伴う品不足と価格高騰は家計を直撃している。また、豪雨による浸水などにより田畑など農業基盤への打撃も各地でみられるほか、猛暑や豪雨によって野外での農作業できなくなるなど、高齢化による農業人口の減少にさらに拍車をかけており、日本の農業自体の持続性そのものが危ぶまれる事態になっている。 こうした国内農業の危機だけでなく、自給率37%(令和24年度)の日本は、米国や中国などの国々からの輸入に依存しているが、今後ますます深刻化する気候危機の中で、これらの国で農作物が不作となれば、日本への輸出は滞り、日本の食料事情はますます危機的状況に陥ることになる。 (藤村 コノヱ)
|
|
3.温暖化による健康への影響
日本の環境問題への取組を本格化させた水俣や四日市などの「4大公害裁判」では、環境汚染が健康に及ぼす影響への対処が焦点だった。実際、それを契機に1967年に制定された公害対策基本法は、「国民の健康を保護し、生活環境を保全する」ことを目的とし、健康の保護が最重要の課題だと明確に位置付けられた。これは、基本的には、現在の環境基本法にも反映されている。 気候変動は、公害問題ではなく地球環境問題だが、本質的には化石燃料の燃焼によって引き起こされる環境汚染であり、それが健康に及ぼす影響も公害問題への対処と同様に最重要の課題として扱われる必要がある。 これまで3次にわたる日本の「気候変動影響評価報告書」の「健康分野」での影響の記述はより詳細になっており、健康影響の類型として、①気温上昇の結果生じる「暑熱」による熱中症などの「非感染症」による健康影響、②気温上昇により日本が亜熱帯化することで予想される「感染症」による影響(これには基本的に2種類あって、ウィルスやバクテリアが繁殖しやすくなった結果生じる感染症と、蚊などが媒介するデング熱などの感染症)、③その他として、メンタルヘルスへの影響、花粉症の悪化の可能性などが論じられている。 (森 秀行)
|
|
2.持続可能な発展~強い持続可能性の重要性について
(一方井 誠治)
|
|
1.世界の持続可能性を脅かす気候劣化の進行とその対応策について
気候変動に関する最新の科学的知見の集約と評価は1988年からIPCCによってなされており、2023年の第6次報告の後の第7次報告最終報告は2029年に予定されている。一方で、気候変動は予想以上に急速に進みつつあり、気候危機という喫緊の課題に対応する政策立案者と市民にとって、世界各国の第一線の学識者が、気候研究における最新の重要な研究成果を総括した“10 New Insights in Climate Science”は、現在そしてその先に向けて信頼できる科学的指針を提供するものである。 ここではその10年間の報告から今時点で重要と思われる10の識見を選んで紹介する。 (西岡 秀三)
|