【学校教育の事例】神奈川県のある中学校の事例

◆概要

地域では、緑、遺跡、川、ゴミ、自動車の排気ガスなどの教材を取り上げることができる。教材選定に先がけた導入段階において、生徒は「都市・生活型の環境問題」としての「ゴミ」に関心を高く持っていることがわかった。しかし、生徒の日常生活スタイルから「自ら環境保全への積極的な行動力」があるとはいえないと思われた。

そこで、自分の生活スタイルを見直し、少しでも環境保全のために生活の質を変え、行動する手がかり(公民的資質)を体得させ、地域社会の一市民として、一人の環境市民としての「生きる力」を培うことを期待して、この授業は以下の内容で実践された。

なお、この実践では、生徒が主体的に問題を意識し、自ら考え、自ら判断し、衆智を集めて、自ら「問題解決」するように教材・学習が構成されている。


◆内容

  1. (1)問題の整理
    環境に対する生徒のイメージ(気になること、こうしたいな、知っていること等)を文字や絵にする。
  2. (2)自らの問題として認識
    地球環境問題群と都市生活環境問題群を対比しながら、知っているが実践できていないことをふりかえり、今後、行動する意欲を引き出す。
  3. (3)事例学習
    企業・行政・環境NGOの環境保全に関する取り組みについて事例学習。
  4. (4)グループワーク
    企業・行政・環境NGOの3つの立場に分かれて調査した結果(現状、課題)から、大人に対する生徒からの環境保全の提言。
  5. (5)調べ学習
    環境にやさしい街づくりについて調べ「私たちの環境宣言」をまとめる。
  6. (6)事実に基づいた討議・論争
    環境にやさしい街づくりについて、ゲスト・ティーチャー3人(企業・行政・環境NGO)を招き、K市のゴミをめぐる環境問題の調査研究に基づいた討議・論争。
  7. (7)知識の総合化・行動化
    提案をめぐって話し合い、環境保全行動への動機づけを図る。