【学校教育の事例】新潟県のある小学校の事例
◆概要
「ワールドスクールネットワーク」に参加し、世界中の人とインターネットで交信したり直接交流しながら、学習を展開している。一例として、4年次にミクロネシアの人たちとお互いの自然・文化・生活について学びあい、5年次でアメリカ、、フランスの人たちと食の安全性について共同学習、6年次で水と人間の関係や、世界の人々と平和について考えている。
◆学習の展開(5年次の農薬と食生活)
- 農薬の良い点悪い点について調べる
- 輸入米について調べたところ、輸入米にはいろんな危険があることが分かった
- 日本の米の自給率について調べたところ、米があまっていること、農業就業人口が 減っていることなどが分かった
- 何故米の自給率が100%を超えているのに、ポストハーベスト農薬付けの米を輸入 するのか、疑問に思う。これをワールドスクールネットワークに伝えたところ、 アメリカ大使館や貿易をしている人から反論の返事がきた。実際にどの程度残留農薬が あるか調べた結果、基準値をはるかに超えたものが出回っていることが分かった
- 日本と外国の貿易について調べたところ、工業製品の輸出と農業製品の輸入の アンバランスから、輸入の必要性についてわかった(貿易摩擦)
- 米以外の食料自給率についても調べたところ、自給率の低さ。特に地元の名物 油揚げの原材料である大豆の自給率が2%であることも分かった
- 食料を輸入しなければ生きていけないという事実が分かった後、「工業製品を 減らせばいいのではないか」という考えから、地元の工業製品の輸出について調査。 その結果、簡単に工業製品の輸出を減らせないことが分かった
◆食料フォーラムの開催「私達は消費者としてどのようにして食費を選ぶべきか」
以下の提案について、どれが望ましいか話し合った。結論は出なかったが、安全を意識して食品を選んでいくことが大切という事で意見が一致した。
- 提案1 無農薬、低農薬の国産品を進んで買う。国産品は安全
- 提案2 輸入品と国産品を上手に取り入れる(国産品だけでは足りない)
- 提案3 輸入品でも大丈夫。安くて家計が助かる。季節に関係なく食べられる。
◆私たちの発信
調べたこと、話し合った結果を、多くの人に知ってもらい意識を高めることが必要ということで、以下のような事を行った。
- 1) H市の人たちへ(実際に町に出て野菜や花の種を配布しながら思いや願いを伝えた)
- 2) 日本中の人たちへ(ホームページを通じて)
- 3) 世界中の公的機関へ(共同学習した仲間と共同宣言の冊子を作成し世界中に配布)